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不用品はゴミじゃない

認知症で施設に入られる方のお部屋の回収依頼でした。ご依頼はそのご親族からで、受付時のメッセージでも『先が見えない』と仰ってました。

私の母も認知症のため、このメッセージを見た時に感じましました。

 

「この方は限界だ」

 

見積もり後に、今以上のストレスを感じさせてはいけないと、直ぐに作業を開始しましたが、しばらくするとお客様から楽しそうに、こんな問いかけがありました。

『母(認知症を患っている方)が施設に入ると決まって、唯一荷造りをしたものがあるんです。なんだと思いますか?』

とても楽しそうに話されていたので、持って行った物は印鑑か通帳で「結局お金なんだね!」みたいな笑い話が待ってるのかと思いましたが違いました。

 

それは10年前に他界されたご主人様が大切にしていた【ネクタイ】だったのです。

 

私は手を止め、言葉を失いました。
ご主人様への愛情に感動したのもありますが、この部屋に不思議な[違和感]を感じたからです。

その違和感は直ぐに分かりました。

お客様が「ゴミ屋敷みたいだ」と仰っていた部屋を改めてゆっくりと見渡してみました。

 

よく見れば見るほど、その部屋はたくさんの愛情に包まれていました。

『購入時の想い』『ご家族への想い』『使ってきた人の想い』がたくさん詰まった素敵な物ばかりです。

新しい物を購入するのを我慢して、お子様の事を最優先に考えて物を揃えていった跡がありました。

 

部屋のスペースを無駄にしない工夫
寝室の位置や動線などの災害時の備え
取り付けられた補強器具
底に新聞紙が敷かれた衣装ケース
大切に使われてきた古い家電製品

お子様が怪我をしないように取り付けたコーナーガード

 

とても書ききれないほどの【想い】がその空間にあったのです。
きっと全てが大切な物で、全て持って行きたかったはずです。

 

違和感は【ネクタイだけを選んだこと】でした。

 

これだけの愛情を注いできた物を捨てると決めた方々の【想い】でした。

『先が見えない』という言葉は私どもでは計り知れない様々な苦しさがあったのだと思います。
アルバムを片付けるだけでも、たくさんの思い出が邪魔をし、手が進まなかったと思います。

 

不用品はゴミではありません。
【選んだ時からずっと大事にしてきた物です】

 

生活に大きな変化が起こる時、私達の仕事があります。

嬉しい時も悲しい時も、その想いの一部を回収してしまいます。

ただリユースやリサイクルするだけ、物を運び出し処分するだけなら誰にでもできるはずです。

 

皆様が共に過ごしたお部屋に傷をつけることなく、
思い入れのある物を大切に扱い、
どこよりも【丁寧な作業】を心がけなくてはいけないと改めて認識いたしました。

 

 

個人的な追伸:ガスコンロの上に置かれていた大きなビニール袋に感謝いたします。素晴らしい方々にお会いでき、たくさんの事を学ばせていただきました。

本当にありがとうございました。